SSブログ

電気とガス [英国生活・文化]

 英国の電力・ガス会社は供給会社が完全に自由化されていて選択することが出来る。両方を扱っている会社も多い。支払いは3ヶ月おきで、メーターの読みもいい加減。年に数回来るか来ないかで、どのみち最後には帳尻を合わせられるのだから…というアバウトな、しかし合理的な方法である。

 さてある日の午後6時ごろ(この時間がポイント)我が家をノックする者あり。警戒しながら覗いてみると、Southern Electric(南イングランド電力会社とでも訳そうか)の2人組であった。実はこの段階で既にミスを犯してしまい、いつまで経ってもCookerhoodを直しに来やがらない電気工事屋がやっと来たのだと思って話をしてしまった。(しかも奴らは「クッカーフードの修理ですか?」と尋ねたら、「ええそうですとも!そうですとも!」とか言って取り入ってきやがった。実に不愉快な話だ)
 そうしてドアを開けて話をし出したところが、話の内容がまるで違う。ガスと電気のメーターを読ませてくれ、電気代とガス代をDirect Debit(口座引き落とし)で支払うことができる、と。先日、超無愛想なオッサン(しかもヤツは靴を脱いでくれと言うのに、それは出来ないとか何とか言って土足で入ってきやがった!)がメーターを読みに来たところだったので(こいつは委託されてメーターを読むだけの仕事の人間だったらしい)そのことを言うと、「それはそれでいいんです」とか何とか言いやがる。が、まあ気のいいエジプト人で(くそっ、この国では仕事をしに来る電気屋や水道屋やその他の連中が愛想が良かったためしがないことに早く気づくべきだった!しかも奴らが5時以降に働くわけがない!)、ちゃんと靴も脱いだのでそこはそれで我が大家の契約している会社が手続きに来てくれたのだろうと勝手に解釈し、Direct Debitの書類にもサインをした。電気代月20ポンド、ガス代月25ポンドの契約で、もちろん年に1回とか退去時にはメーターを読んで修正精算する。この金額自体はむしろとてもリーズナブルなお値段。

 ところが後からよく考えて、書類をもう一度検討すると、「これまでNPOWER(北イングランド電力・ガス会社)だったのを当社に切り替えます」みたいなことが書いてある。つまり、奴らはセールスの飛び込み勧誘だったのだ!全くこの国で愛想の良いヤツはとことんまで信用できない。(唯一の例外が世話になった不動産屋だった。このことは幸運な出会いとして特記しておきたい)あるいは、アラブ人は信用するなということか。エジプト人は他のアラブ系とは違うというプライドを持っているとのことだが。
 しかしまあ、以前来たヤツの無礼さに俺もTamaも辟易していたところだったし、Direct Debitの申し込みもわざわざ自分からしなくても飛び込んできてしてくれたわけだから少なくとも自分の損にはなっていない。家主がなんと言うかは分からないが、別に供給会社の契約が変わっても問題はなかろう。払うのは俺自身が直接払うわけだし。ただ、そういうセールスのペースに乗せられてサインまでしている自分が情けなかったし、腹が立った。ぶつぶつ言いながら安ビールを痛飲。

 …と、ここまでならよくある失敗談なのだが、話がここで終わらないのがこの国の、はっきり言ってアホなところだ。
 そもそも家主がどこと契約していたのかを確認しようと思ったが、手紙にはメンテナンス会社(これは老舗の、そしてサービス最悪で多数の顧客が自由化で流出した悪評高いBritish Gas!)だけが書いてあって供給会社は分からない。そういえば家主(Tessaという名のおばちゃんで、ユダヤ系かもしれない。ちなみに一度も会ったことがない。電話では一回しゃべった)が一度大学に身分照会がてら電話してきて、その時にサプライヤとAccount No.を教えてくれたって大学の事務からE-mailが来たっけな。そう気づいてメールを再読すると…なんとまあ!
「あなたのサプライヤは電気・ガスともSouthern Electricです。名義も変更しておいたのでご心配なく。顧客番号はこれこれです」!
 つまり、愛想が良くて間抜けなエジプト人セールス野郎は、この通り一帯がほとんどN-Powerであるのを侵食しろ!という上からの命令に基づいて飛び込みセールスをかけていたが、よりにもよって哀れなことに唯一Southern Electricに既に切り替わっていたたった一軒に飛び込んで契約(もちろん無効だろう。あるいは無効でなくても彼らに報酬はないだろう)を取ってしまったわけだ。残念ながらここの大家はここからやや南の都市Leedsに住んでいるのだ。恐らくそこで彼女自身がSouthern Electricのカスタマーなんだろう(もしかするとお友達紹介キャンペーンで彼女にリベートが行っているのかもしれない)。にしても、お前らの会社には顧客名簿すらないのか!?
 ということで、今は今後どうなるのかを興味しんしんで見守っている次第。請求書が2通来るか?それともDirect Debitで引き落としていながら「払え!」というBillが来るか?(そもそも今回書いたDirect Debitの書類は有効なのか?)この国のその類の会社のいい加減さは悪評高く、そのどちらも起こりうると思っている。いずれにせよ、余計なカネはびた一文払ってやらんぞ!(当たり前)


nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(1) 

nice! 0

コメント 4

SHIN

ニューキャッスルで、ヌード・パレードがあった、と
FENのニュースで聞きました。
通勤途中の電車の中で、ちょうど鉄橋を渡っていたので
なんのことか、、、聞きマチガイか、、、と自信なし。

1500人か、100人か、それも聞き取れず、、、、
なにがありましたの???
by SHIN (2005-07-20 07:32) 

KDN

へい。1500にん、が正解です。
何でも世界的芸術写真家が「モデルのような体だけを美しいと褒め称えるカルチャーへのアンチテーゼ」をテーマに世界中で多数の裸を撮り続ける活動をしていて、今回はそれがNewcastleだったそうです。
午前4時から3時間に渡って(この時期のNewcastleはとっくに夜が明けていますから)募集に応じた1500人が撮影に参加。中には学校の先生なんかも居たそうで。ミレニアム・ブリッジに裸で並んだりしたそうです。…寒かったやろなあ。(いや、この街は冬でもヘソ出し・肩出し・半そでマグパイユニフォームで有名な街だからなぁ)
by KDN (2005-07-21 09:05) 

SHIN

・・・・・・・もしかして、閣下もそこに?
by SHIN (2005-07-21 13:16) 

KDN

無理です!(笑)裸もイヤですが、何より7月だというのにこの肌寒さ。
日本の猛暑にはもう帰れないかも!?
by KDN (2005-07-22 07:45) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

銀行口座その後電気とガス・その2 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。