スコットランド紀行(６) Real around the Skye

８月１７日（水）　大雨
　表題は我が敬愛するRiverdanceの名曲Real around the sunのもじり。今年の来日公演はもちろん見に行けませんが、みなさん代わりに行って観てきて下さいね！Riverdanceはアイルランドだが、ケルトのルーツはスコットランドと同様である。

　さて今日はスカイ島を観光する日だが、あいにくの土砂降り。そういえばBeaulyの宿屋のオヤジがくだらない冗談を教えてくれた。いわく、「スカイ島では（雲が晴れて）山が綺麗に見えるのは雨が降り始める前兆。しかし山はいつも見えない。なぜならもう既に雨が降っているからだ」…大して面白くもない英国流ジョークだが、それだけ雨はいつでも降っている地域だということ。でも土砂降りは珍しいらしい。
　今日はレンタカーを借りて島を回ることにする。レンタカー専門業者というものはこの島には存在せず（大体インバネスかグラスゴーで借りてくるらしい。しかしこの国のレンタカーは高いし手続き面倒くさい！）、Portree Coachworksという自動車修理業者兼中古車屋兼レンタカー屋兼観光バス業者がやっている。これがまた思い切り街外れの工業団地の中にあるのだが、なんとも運のいいことに街はずれにある我がB&Bと同じ方向の街はずれ(笑)にあって徒歩５分くらいで着く。やれやれ。
　借りるのには英国の免許が必要で、しかも過去２年間の運転の証明が要る。幸い、日本からもし車を買うことになった時のために保険会社の無事故証明をもらってきていたのでそれで代用できたが、もし無かったら借りられないところだった。（事前にE-mailで確認しておいた）車はHyundaiのセダンで、外装内装はそこかしこ壊れている（窓ガラスにはヒビ！）が、走りは好調。ちなみに、もちろんマニュアル。２４時間で￡３５（7000円）だった。妥当な値段だが、この国はガソリン代が高いことも考慮しなくてはならない。（いわゆる「満タン返し」ではないので、返す時に適当に調整するのだが、借りた時より多めに入れすぎてちょっと悔しかった）

　まずはスカイ島の誇る銘酒、D.が最も愛する酒のひとつTALISKERの蒸留所へ。Taliskerは西岸の小さな村の名前だが、現在の蒸留所はそこから川を数キロさかのぼった所にある。本道からは細い道を羊をよけながら(笑)とろとろ走っていかなくてはならない。しかし世界的銘酒だけあって、蒸留所は大きくて駐車場も広かった。

　ツアーの前に1杯…だが、ドライバーは飲めませぬ。残念！匂いだけで我慢。Tamaが代わりに2杯飲んで、思い切り酔っ払う。(笑)製造工程は実に興味深いもので、Taliskerの特徴である強烈なスモーキーテイストの源となる泥炭peatも見ることができた。樽詰めのあと、熟成とボトリングに関しては島内に保管場所が無く、スコットランドの本島に保管所を設けている。また生産量の8割(！)はブレンドウイスキー用に売られ、Taliskerとして発売されるのは2割にも満たないそうだ。そうだろうなぁ、この強烈なフレーバーはブレンダーなら少しでも加えてみたいだろうよなあ。
　ショップで蒸留所オープン175周年記念ボトルと、ここでしか手に入らない10年の樽出しCask Strength（59.5度！)を購入。もちろん飲まずに保存しておく用。Tamaは最近ミニチュア・ボトルのコレクターと化しているので（笑)何本か購入。とても安かった。

　ダンヴェガン城Dunvegan Castleへ。800年にわたり島の豪族MacLeod家の居城で、現在の当主が29代目だとか。妖精から授かった旗が一族の危機を何度も救う伝説は世界的にも有名。その旗は今でも大広間に飾ってあって見ることができた。ただのぼろ布(苦笑)だが、現代の精査の結果4～7世紀頃のシリアあたりで生産された絹であることがわかっており、新たな謎と伝説を生み出している。大庭園も有名だが、いかんせん雨が強く、割愛。

　スカイ島暮らしの博物館。この天気なのにオープン・エア・ミュージアムだ(涙)。ウイッグUigの街からさらに北の端を回って行く細い道をとろとろ走り、もう通り過ぎたんちゃうかと思った頃やっとたどりつく。確かに、厳しい暮らしぶりは痛感できた（とほほ）。石造りの家が幾つか再現されていて、各種の展示も興味深いが、なんといっても大英帝国の一部でありながらこのような家で20世紀まで普通に生活されていたということがすごい。

　Portreeに戻ってきて、夕食後に雨がやむ。やれやれ。実は数少ないレストランが今日はどこも満席で、しかもやっと見つけて入ったレストランがひどく不味くて店員も不手際であまりいいことのない夜だったのだが、夕焼けがあまりに綺麗だったので忘れてしまった。ということで写真をお楽しみください。

コメント 2

はじめまして．大学の物理の教員で，ハンドルネームyamamotoと申します．
もうスコットランドからは戻られたのでしょうか．興味がおありかどうか分かりませんが，明後日からグラスゴーの近くの軍基地で，核廃絶キャンプが行われます．詳しくはTBを．
by yamamoto (2005-08-25 11:24) 

ご来訪ありがとうございます。休暇が終わって仕事に戻っています。
興味はともかく、政治的な活動には関わる時間もご縁もこれまでありません。ご了承ください。
by KDN (2005-08-25 12:01)