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Sunday Roast [英国生活・文化]

 素敵な英国的風習のひとつにSunday Roastというものがある。日曜のお昼にローストを主体としたディナーを食するもので、その日の食事は午後または夜にサンドイッチとお茶High teaでおしまいとなる。もちろんパブに行ったりもするようだが。
 今ではこれをきっちり守っている家庭も少ないようだが、それでもパブやレストランは必ずと言っていいほど近所の住人を目当てにSunday Lunchを売り物にして看板を出しているし、また金曜の晩と土曜日が町に繰り出したりイベントごとを楽しんだりする週末で、日曜日は家族で過ごす安息日(教会に行かなくても)、という考えは今でも根底にある共通のもののようである。日本人にとっては週休二日制が普及したとしてもなかなか真似の出来ないところ。

 さて、今の家には運の良いことにでっかいオーブンが付いているので、この伝統を楽しもうといろいろなローストを試している。牛肉はいろいろな種類があるが総じて安くはない(日本に比べればとても安いが)。それでもバラの肉を巻いたりしてまとめたニセかたまり肉だと安いし、これは手軽にローストビーフを試すことができた。ラム肉は牛より安く、個人的には大好きだが、独特の香りが誰にでもお勧めというわけにはいかないのが辛いところ。それでもしっかり脂肪を取って、バターとローズマリー主体でシーズニングに時間をきちんとかければ大変美味しくなる。ポークは他の肉が日本よりは安いため、日本で感じるほどの割安感はない。ローストポークは家でしても感動が薄く、むしろ旅先のパブで注文すべき料理かも。ちなみにこちらではアップル・ソースが定番で、なかなか良い。
 鶏は安い。丸一羽で2.5ポンド(500円)前後のものが2~3人用、それ以上でも4ポンドまではいかない。但し抗生物質その他を使っていないという触れ込みのOrganicのチキンは6ポンド(1200円)以上するが(ふだん俺たちはどんなものを食わされているのだろう!?)。一人に一羽供される小さい雛鳥のPoussinは2羽で3ポンド(600円)。先日は一羽90ペンス(180円!)なんてを発見してつい手を出してしまった。味は大きなものとそれほど変わらない。シーズニングとバターをきちんとすれば大失敗することはなく、味も十分だが、照り焼きソースもちゃんと売られている。ターキーはまだ試していないが、こればかりは冷凍で最低でも7~8ポンド位はするようである(詰め物もして売られているのもある)。個人的にはあっさりしていてソースが難しいなあと思うのだが、英国人に言わせれば味は鶏肉と同じだという。クリスマスに試すのが楽しみ。鳥インフルエンザで供給不足が心配されるが…

 以下の写真は牛スペアリブ解体の模様。結局Sunday Roastはこの豪快大胆無慈悲な肉の処理にかかっていると言っても過言ではない。マーケットの肉屋で大骨4本、小骨4本から構成される巨大なかたまりがなんとわずか1ポンド(200円!!)で売られていたので、狂牛病の恐怖を食欲の前に忘れ去ることの出来る貧乏な日本人夫婦(笑)が購入。大ナタをふるって大まかには分けてくれたが、それ以上の処理は自分でトライしなくてはならない。これは鶏でも骨付き牛やラムでも同様である。

 背骨を走る脊髄の跡も生々しい(矢印)。一番の危険部位だ。肉は処理の前に水でよく洗う。

 上から見た図。青い線に沿って肋骨側にできるだけ肉を残すように外してゆく。ナイフの先で背骨と肋骨をつなぐ靭帯を見つけて切るようにすると、無駄な労力はいらない。関節のある部分(矢印)の周りも靭帯で囲まれているので、ここの処理がやや難しいか。

 解体終了の図(大骨がもう1本ある)。今回はバーベキューソースで漬け焼きにしてみたが、オーブンでは仕上がりがいま一つだった。バーベキューコンロでしっかり脂が落ちる方がやはり良い。味はまずまず。リブについてはコーラを使って煮込んだりビールを使ったりその他いろいろな方法があり、試す余地はありそう。

 なお、これら骨付き牛肉を食することによる狂牛病感染の危険については、あくまでも自己責任の上でご判断ください!!骨はとがっているのでケガにも気をつけてね。


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