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たまには日本食など [英国生活・文化]

 「日本の食べ物は恋しくありませんか?」とよく聞かれるが、全然。と答える。イサキやサンマの焼き魚くらいは食べたくもなるが、むしろ独身時代のパスタや豪快ロースト系料理が、こちらに来て美味しい生パスタと豪快オーブンローストの文化に触れることで思い切りグレードアップして狂喜乱舞しているので、すっかり忘れてしまった。もちろん、日本の食事をふと思い出す時はあるが、こちらで南紀の鰹料理や新宿「姿」の天然ふぐやおたふくソースのお好み焼きや大ダコのたこ焼きや錦市場のニシンそばや吉野家の牛丼の同等品が手に入るわけでもなし、きれいさっぱり忘れるようにしている。むしろ恋しいのは我が心のふるさとである心斎橋の某店のフレンチかな。同等のものをこちらで食べようとしたら3倍の値がつく。

 Newcastleで基本的日本食材を手に入れるのは、生鮮食料品でなければそんなに難しくはない。中華食材店は中華街の中と、Haymarketと、Newcastle Collegeに程近いSt.Jamesの丘の中(これが一番大きい)にあり、インド・韓国を含むアジア食材一般を取り扱っている。

 納豆は冷凍で売っている。冷凍納豆が許せないという関東人には「なっとういち」が欧州向けに発売してくれている冷蔵品を。ちなみにD.はご飯にのせて食べる納豆は大好きな現代的関西人だが、納豆汁・納豆巻き・納豆揚げ・納豆と大根おろしといった納豆料理は忌避させて頂いております。
 コメについては前も少し書いたが、日本の名前を騙るものは殆どがダメ。カリフォルニア米とか、ニセ・コシヒカリ(中韓の著作権侵害に謝罪と賠償を要求する!)とかは高いだけで話になりません。安くて美味しい短粒米は韓国製のグリーン・ライスです(ありがとうアジアの友よ。ってゆーか、このコメは十分美味しいんだから、姑息な模倣はやめて正々堂々と売り出しなさい!)。
 ビールはなぜかサッポロをよく見かける。ま、元々日本のビールは(モルツ以外)大嫌いだったので、わざわざ本場に来てにが~い日本製コメ混入ビールを飲む必要もないのだけれど、たまたま安かったので買ってみました。
 キムチは自作できる。回虫卵騒ぎもあったことだし、マーケットで白菜を買ってきて自分でしっかり洗って(糞尿肥料が問題になっているようだが、しっかり洗って落としている分にはなんら問題はない)漬け込むのが一番良い。
 オクラは中華食材店よりもTESCOの方が安くて新鮮(大きな店にしか置いていないが。ちなみにレバノン産)。刻んで鰹節と醤油をかけてご飯にかけるのがD.の最も愛する食べ方なのだが、あまりオクラに縁のなかった(京都の保守的な料理人の家庭に育ち、あまり外来の食材が食卓に並ばなかった)Tamaはむしろバター炒めの方に感動している。
 あ、魚はあきらめて下さい。Fish&Chipsと、キッパーと、スモーク・サーモン以外は関西人には我慢できません。平気で生臭い刺身を居酒屋で出す東凶の味音痴の皆様はどうぞ。あと、酒はヘンな海外輸出用しか手に入らないし、焼酎は見かけないし、インスタントラーメンはあっても生麺タイプの「ラ王」はありません。

 ちなみに日本料理店は"Nagomi"なる店が中華街の端にあって、それなりに美味しいという話。地元のファンも多いです。でも味噌汁1杯500円だから(ロンドンよりマシとはいえ)あまり行く気にはならんね。他に日本名を冠した中国人経営の(またかよ)鉄板焼き屋が2軒。韓国焼肉屋も1軒あるがこちらも中国人経営で、味は鶴橋で楽しめる韓国焼肉とは似ても似つかぬニセモノです(リサーチ済み)。


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コメント 7

mado

うわっ、辛口のコメントですねぇ。でも、同感。韓・中人経営のお店って日本の名前を使って客引きするところは多いですね。日本だって、伊・仏・西・云々の名前で日本人の舌に合わせた料理を出す店も多いですもの。万国共通ですね。

ニューカッスルは(というかイギリス全体ですが)インド料理、美味しくないですか?伊飯も悪くなかったです。

おまけ:キッパーをクリックしたらtamaさんところに迷いこんでしまいました。得した気分。箱入りマッシュルームに万歳。
by mado (2005-12-18 19:30) 

KDN

韓流はまだ許せる部分もあるのですが
中式はひどいですね。似ても似つかぬものになります。
ところが当地の中華料理は英国人向けに合わせてあるのでまた我々には(…)ですよね。やはり、本国または近いところで食べるのが一番です。
印度料理店は多いですね!スーパーで売っているソースの種類も半端でなく多いし、これは国民食ですね(日本にカレーが入ったのも英国経由だとか)。イタリアンはJesmondに評判の店がありますが、カネも時間もなくて(苦笑)10年前ロンドンで食べたイタリアンは美味しかったなあ!
by KDN (2005-12-19 20:00) 

どらとら

錦市場のニシンそば…。
代わりに食べておきますね〜。エヘヘ。
by どらとら (2006-01-04 00:48) 

KDN

いいないいないいなぁ。
でも京都二条の産まれ育ちの妻はなぜかにしんそばと言われてもピンと来ないようです。Posh過ぎて普通の家では食べないのかも。もったいない!
by KDN (2006-01-04 02:42) 

SHIN

>日本にカレーが入ったのも英国経由だとか

あらら、横浜、横須賀の地元っこには有名な話。
なんですけれど、ご存知なかったかしら。

旧帝国海軍が、英国航路において、クリームシチューを
英国から持ち帰り、その途中でインドでも給油、給水、食料調達
をした際、インド料理も持ち帰ったのですね。
で、クリームシチューにカレーを混ぜてご飯にかけたところ、
これが非常に好評となり、”毎週でも食べたい”と水兵達から
熱烈な要望が艦長によせられ、海軍カレーをなりました。
ただ、これを漫然と給食したのでは、海軍らしくない。
と言う判断と、海の上では曜日の感覚が希薄になり
作戦遂行のために、日時を知らしめるため、
毎週、金曜日にのみ、海軍カレーを給食し、これで
曜日、日時の感覚を徹底させようと、艦長が言ったのが
始まりで、現在でも、海上自衛隊の全ての食堂と
全ての艦艇では、金曜日にのみ、カレーが給食されて
おります。

あれは、軍隊の食事なのですね。
はい。

横須賀では、海軍カレーの専門店もあります。
カレーが、日本のお母さんの味、になったのは
終戦後の復員兵が、全国に一斉に帰ったからです。

蛇足ですけれど、シチューはSTEWと書いて、煮込み料理
の意味の英語ですね。
よく似た料理で、アメリカ東海岸にチャウダーというのが
ありますね。
これは、Chaudiel(つづりはあやしい)ショーディエールという
フランス料理で、大鍋料理、の意味です。
大航海時代以降、アメリカ大陸発見の後、フランス海軍が
アメリカ大陸に渡り、置き土産で郷土料理となったのが
海岸の大鍋漁師料理のクラムチャウダーです。
これも軍隊料理だったんですね。

勉強になったでしょ。
by SHIN (2006-01-06 08:19) 

SHIN

蛇足の蛇足。

煮込み料理は、なんでもシチュー。
モツ煮込みは、モツシチュー。
煮込みうどんは、うどんシチュー。
ポイントは、鍋が中型未満で、煮込む事。

で、大鍋料理は、なんでもチャウダー。
ちゃんこ鍋は、ちゃんこチャウダー。
キムチ・チゲは、キムチチャウダー。
よせ鍋は、よせチャウダー。
ポイントは、大型以上の鍋で、沸騰させること。
小さい鍋のクラムチャウダーは、シーフードシチュー。
チャウダーちゃうだ。

なんちゃって。
by SHIN (2006-01-06 08:26) 

KDN

海軍が週一回カレーなのは知ってましたけど
日本のカレー=本家カレー+クリームシチューなのは知らなかったなあ。ということは、英国経由というのは間違いなんですね。う~んさすがハマっ子。
大鍋シチュー=チャウダーなのも知らなかった(どうもクラムチャウダーが嫌いで…日本の不味い学校給食を恨みます)。
by KDN (2006-01-07 19:24) 

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